ただの黒じゃない。金属特有の反射感がしっかり残る、高級感あふれる仕上がり。店で断られたクロムハーツのメッキ加工。LINE相談から始まる理想のブラックカスタム

クロムハーツ製のブレスレットを、燻除去からブラックロジウムメッキにカスタム!
クロムハーツをブラックロジウムで黒く仕上げる。
クロムハーツのIDブレスレット。 シルバーの燻しの質感も素敵ですが、最近は「自分だけのオリジナル性が欲しい」というご相談をよくいただきます。
ただ、最初にお伝えしておきたいことがあります。
ブラックロジウムメッキは、通常のシルバー仕上げよりもずっと難易度が高い加工です。
「黒くすれば傷が目立たなくなる」と思われがちですが、実は逆です。 黒く、鏡面に仕上げれば仕上げるほど、下地のわずかな凹凸や磨き残しがはっきりと浮き出てしまいます。 私たちが下地作りを一番重要としている理由にもなります。
- 【加工前】硫化と傷をどう無くしていくか。
シルバー925特有の硫化(黒ずみ)と、長年の使用による打ち傷が全体に見られます。 クロムハーツはデザインが複雑な分、谷の部分に汚れが溜まりやすいのですが、これを徹底的に除去しないとメッキの密着が悪くなり、後々剥がれの原因になります。
また、元々の「いぶし」も一度完全に除去する必要があります。 新しい「黒」を美しく定着させるための、大切な準備工程です。
- 「メッキの輝きを決めるのは下地処理!」
私たちの現場ではよくこう言います。メッキ液に浸ける時間はわずかですが、その前の「磨き」こそが作業の9割を占めます。
- コマの裏側まで丁寧に: リンクが重なっている部分はバフ(磨き機)が届きにくい場所ですが、ここをサボると、メッキ後にその部分だけ色が乗らなかったり、手触りがザラついたりします。
- モチーフの形状を守る: 中央のクロスモチーフなど、エッジを立たせるべき場所と、傷を消すべき場所。攻めすぎればロゴの角がだれすぎてしまいます。
- 熱によるトラブルを防ぐ: シルバーは熱伝導が高いため、磨きすぎるとすぐに熱を持ちます。この熱管理を誤ると、メッキ後に表面に小さな穴が出る原因になるため、一瞬も気が抜けません。
お客様の大切な一点物だからこそ、この「見えない下準備」に一番の時間を割いています。
- 【加工後】ブラックロジウムで、お客様だけのクロムハーツに。
磨き抜いた下地に、最高品質のブラックロジウムを定着させた姿です。
かなり雰囲気が変わりましたね。 ただの黒塗りではなく、金属特有の反射感がしっかり残るのがブラックロジウムの良さです。
なぜ「ロジウム」をお勧めするのか
私たちは、安価なメッキではなくロジウム系にこだわっています。 ブレスレットは生活の中でどうしても机や物に当たりますが、ロジウムは非常に硬いため、多少の擦れには負けません。また、シルバーのように放っておいて黒ずむ心配もなくなります。
※ただし、どれほど硬いメッキでも「絶対に剥げない」というわけではありません。愛着を持って長く使っていただくための、最善の選択としてご提案しています。
- プロとして、事前にお伝えしておきたいこと
実は、クロムハーツのメッキ加工を断る職人は少なくありません。それだけリスクが伴うからです。
- 留め具(バネ)への影響: クラスプ内部には板バネが入っています。ここに液が残ると内部から腐食し、留め具がバカになってしまう恐れがあります。
- 素材由来のガス: 金属の状態によっては、メッキ中にガスが発生して表面がボコボコになってしまうケースも稀にあります。
私たちは「100%新品に戻ります」という無責任な説明はいたしません。 素材の劣化や腐食が深すぎる場合は、どうしても跡が残ることもあります。そのリスクも含め、事前にお客様と誠実に向き合いたいと考えています。
- LINEで「とりあえず」ご相談ください。
「自分のクロムハーツも黒くできるかな?」と思ったら、まずは写真を見せてください。
「これは問題無く綺麗になりますよ」 「ここは腐食が深いので、少し跡が残るかもしれません」など
一点一点、現場の人間が確認をし、最適な加工プランをご提案いたします。
最後に:その「愛着」を忘れずに!
新しいものを買うのは簡単ですが、長年一緒に過ごしたアクセサリーには、その人にしか出せない「味」があります。 今回のブラックカスタムは、その愛着を「今の自分」の好みにアップデートするお手伝いでした。ご依頼いただき、ありがとうございました。
気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
修理加工前

修理加工後





